日本とフランスの自転車文化について

日本とフランスの自転車文化について
皆様は、自転車がパリで発明されたことを知っていますか?パリの街並みはなんだか自転車の似合いそうですよね。そんなフランスと日本とではどのように自転車文化が異なるか見ていきたいと思います。

フランスで自転車が生まれた

歴史自転車の始まりはフランス革命から2年後の1791年の事です。パリの発明家が車輪をつけた木馬の二輪車を乗って見せたことが最初と言われています。1867年にはピエール・ミショーが前輪の大きなタイプの自転車をパリ万博で展示しました。これにより、自転車は一部のフランス人の間で人気になり、有名な乗り物となりました。チューブ付のゴムタイヤが発明されたのは1888年以降で、自転車の乗り心地はどんどん改善されてゆきました。

パリでの新しい自転車文化「ヴェリブ」

20世紀はパリでも自転車が主流となりましたが、最近では再び自転車に乗る人が増えてきています。自転車レンタルシステム「ヴェリブ」が作られたことが自転車文化をさらに発展させたと言われています。町のあちこちに貸し自転車のスポットが作られたことで、気軽に自転車に乗って出かけることができます。電車やバスなどの公共交通間を使わずに快適に移動できることが利点です。ヴェリブは、パリ市とその周辺にある自転車貸し出しシステムですが、貸出しおよび返却スポットが1.700個所以上設置され、23.000台の自転車が用意されています。貸し出し自転車の数の多さに驚きますよね。また、仕組みも簡単で、貸し出しスポットに行って、自動支払機で手続きをし、自転車をピックアップするだけです。年中無休で、24時間営業というのも画期的です。手続きの簡単さだけでなく、タイヤには反射板が取り付けられていたり、前輪と後輪にブレーキが取り付けられていたりと、用意されている自転車も安全面に考慮しています。そして3段ギア付きで、サドルの高さは調節可能、ハンドルには大きなカゴが付いているので買い物にもぴったりです。登録料は1日1.7ユーロ、一週間で8ユーロで、使用開始から最初の30分は無料なんです。そしてこの「ヴェリブ」は、旅行者でも利用可能なのが嬉しいポイントです。ICチップ付きのクレジットカードがあれば、簡単に利用登録できますよ!

フランス人にとって世界最大のロードレースツール・ド・フランス

フランスではツール・ド・フランスと呼ばれるロードレースがあります。ツール・ド・フランスは国営テレビでも必ず放送されるスポーツを超えた文化でもあります。ツール・ド・フランスは、フランスを旅するレースです。フランスの地方を空撮でとても美しく映し出すので、テレビで見ている人もプチ旅行気分を味わえます。ツール・ド・フランスの実況は、レース内容の実況だけでなく、文化解説が充実していて、地域についてや、グルメ、歴史なんかについても解説してくれます。フランスでは20世紀の前半、1家に1台自転車があるのは車を持つような特別な体験でした。子供は大きくなったらいつか乗らせてもらえるかなと憧れを抱いき過ごしていたんだとか。そんな自転車のレースが自分の街の近くに来てくれる夢のようなイベントがツール・ド・フランスで、今でもそのロマン的な体験は続いています。

フランスと日本の自転車人口の違い

ヴェリブの発展から自転車ブームが起きているフランスですが、それでも自転車人口は日本に比べ圧倒的に少ないです。日本では買い物や子どもの送り迎え等で自転車を使用する人が多く、ママチャリは家庭に一台あるのが当たり前なのではないでしょうか?しかし、フランスでは日本でのママチャリ文化のようなものは無く、圧倒的な車社会といえます。子どもの送迎やスーパーへの買い物には、車を使用することが大半です。

フランスの環境問題への意識

パリでは近年、車の排気ガスを減らすための環境問題対策として、自転車を推奨するようになりました。そして、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、自転車専用レーンを設置するために350億円を投じる案を打ち出しました。車社会のフランスだからこそ、積極的に自転車利用政策が進められています。日本では、まだまだ一般道路での自転車走行専用レーンの普及は少ないのが現状です。新型コロナウイルス感染拡大への対策としても、自転車に乗る人をさらに増やすために、自転車レーンの整備に力を注いで欲しいものですよね!

いかがでしょうか?日本とフランスの自転車文化についてご紹介しました。フランスでは、日本の感覚と違った自転車へのロマンや夢がある気がします。コロナ禍になり、現在海外には中々行けませんが、いつかフランスに旅行した際は是非ヴェリブを利用して、パリの街を走行してみたいですよね!